生産者

この生産者について

長谷川農園は、いわき市小川町で約60年続く梨園です。長谷川章さん、順一さん親子が、こだわりの梨作りで旬の味を届けています。従来の栽培法に加えて、「ジョイント栽培」という新たな栽培法にもチャレンジ。「いわき梨のおいしさをもっと広めたい」と、意欲を見せるお二人です。

生産者情報

生産者

長谷川農園

住所

福島県いわき市小川町柴原字永久保88

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電話番号

090-2600-8431

補足情報

※農園で直接購入をご希望の方は、事前にお電話をお願いします。
※情報は取材時(2026年9月)のものです。

情報提供当時と現在の情報が異なる場合がございます。ご了承ください。

写真

南に向いた陽当たりのいい傾斜地で育つ梨。約1.1ヘクタールの敷地に、ジョイント栽培の分も合わせると600本ほどの梨の木があります。8月上旬から収穫が始まる「幸水(こうすい)」をはじめ、「豊水(ほうすい)」、「秋月(あきづき)」、「涼豊(りょうほう)」、「かおり」、「あきあかり」、「甘太(かんた)、」「新高(にいたか)」「王秋(おうしゅう)」といった品種が次々に実りのときを迎えます。

父親の跡を継ぎ、梨作りを始めてから60年近くになるという章さんは、長谷川農園の2代目です。30代の頃からJAの梨栽培の技術部長を担い、後進の技術指導を行ってきました。現在も統括技術部長として、月1回行われるセミナーや研究会でご自身の経験や技術を伝えています。

自動車会社に勤めていた順一さんが、長谷川農園の3代目を継ぐと決めたのは7年前のこと。その決心のきっかけは、慣れ親しんだ梨の味でした。「毎年、うちの梨を『おいしいね』と楽しみにしてくれる人がいて、僕自身も、父の梨が好きでした。でも、ふと思ったんです。父がいなくなったら、この味もなくなってしまうのか、と。」会社を辞めることへの葛藤はありました。それでも、父が育ててきた梨の木を絶やしたくない。毎年「おいしい」と喜んでくれる人たちに、この梨を届け続けたい。そんな思いから、順一さんは父の跡を継ぐ道を選びました。

長谷川農園では、美味しい梨を作るため、様々な工夫や挑戦を重ねています。その一つが「葉面散布」です。アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの成分が入った液体を葉に散布することにより、糖度が上がり、おいしい梨実が実るそうです。この作業を5月から7月にかけて、月2回のペースで行います。

土づくりのために昨年から新たに取り組み始めたのが、ウニの殻を潰して粉状にし、堆肥に混ぜて撒く作業です。親戚がウニ漁をしている縁で、小名浜の採鮑組合から不要になったウニの殻を譲り受け、使い始めました。「お客さんに、今年の梨は特においしいねと言われるんです。ウニの効果かな」と笑う章さん。新たな試みに手応えを感じているようです。

実を傷つけないように、収穫には特殊なハサミを使います。刃の部分がとても小さく、カーブしているため、実に刃が触れることなく枝からカットできます。

梨園の一角には、3年ほど前から始めたジョイント栽培の梨畑があります。ジョイント栽培とは、隣り合った木の枝を接ぎ木していき、大きな一本の木として栽培する方法です。実に栄養が均一に行き渡ることから、甘みや大きさなど品質の一定化が図られる上、通常栽培の1.5倍の収穫量が見込めるそうです。現在、いわき市内では数軒の梨園がこの栽培法に取り組んでいます。

枝を同じ高さで、横へ横へと接ぎ木していくジョイント栽培は、経験を要する剪定作業が容易になるほか、実のなる高さが揃うため収穫もしやすく、作業効率の向上につながります。整地や特許料など初期投資はかかりましたが、将来を見据えて取り入れました。来年から少しずつ、収穫できるようになるそうです。

「新高」と「豊水」を掛け合わせて生まれた「涼豊」は、大きめの実がなる福島県のオリジナル品種です。酸味が少なく甘みが強い梨で、清涼感のある食感にちなんで名付けられました。収穫時期は9月下旬から10月上旬です。

口に入れた瞬間に広がる華やかな香りと、爽やかな甘みが特徴の「秋月」は、酸味が少なく、果汁がたっぷりで風味豊かです。「新高」と「豊水」の交配種に「幸水」を掛け合わせたもので、満月のように丸く大きな実が成り、9月中旬から下旬にかけて収穫されます。

「かおり」という名前のとおり、果実の豊かな香りが特徴の青梨です。果皮は緑色から、熟すにつれて黄色みを帯びてきます。ほどよい甘みで、みずみずしい食感です。流通量が少ないことから“幻の梨”とも言われています。

2003年に品種登録された「あきあかり」は、肉質が緻密で果汁が多く、酸味が少ない早生の梨です。縦に筋状の溝が見られる実の形も特徴の一つで、食味が良いことから、この品種の収穫時期を心待ちにしている常連客もいるそうです。

取材に伺ったときは、「豊水」が収穫のピークを迎えていました。甘みと酸味のバランスが良くジューシーな梨を、章さんの奥様の和子さんが皮をむいて出してくれました。長谷川農園では、収穫の休憩時間に毎日、採れたての梨を食べているそうです。

贈答用の梨は、5キロ4,000円、10キロ8,000円で、箱代、送料が別途かかります。実を傷つけないように、丁寧に箱詰めして発送します。

長男の順一さんを囲む、ご両親の章さんと和子さん。親子で手間ひまをかけて実らせた自慢の梨を手に、笑顔を見せてくれました。忙しい時期は、順一さんの奥様や、パートの方などが総出で朝から収穫に励みます。

長谷川農園の梨は、JAの新鮮やさい館各店のほか、園内でも直売しています。長谷川農園での購入をご希望の方は、あらかじめ電話連絡の上、ご来園ください。

順一さんが跡を継ぎたいと伝えたときの気持ちを、章さんは「やっぱり、うれしかったねぇ」と振り返ります。ご自身の経験や技術を伝える一方、ジョイント栽培をやろうと順一さんが提案したときには、新たなチャレンジに前向きに二人で取り組みました。

順一さんは今、担い手育成会の会長として、梨作りに励む仲間たちと技術を磨く一方、新規就農を希望する人と梨園をつなぐサポートをしています。後継者のいない園を引き継ぐ担い手を育てることで、いわきの梨を守っていきたいという熱い思いが胸にあります。

育成会では今、「甘太」という品種でいわき梨のブランド化を目指しているそうです。「いわきの梨を、もっともっと広く県内外に発信していきたい」と話すお二人。おいしい梨作りへのチャレンジはこれからも続きます。

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